胎児の記憶

 12時過ぎ、リュウに離乳食を食べさせていると電話が鳴った。「佐川急便ですが…」やった! 先日ネットで購入した敷布団が届いたのだ! 程なく玄関先に現れたでっかい段ボール箱を開け、ダブルサイズの布団を引っぱり出した。リュウも「なにそれ?」って感じで興味津々。さっそく敷いて感触を味わうため横になってみた。うーん、なかなかいいぞ。と、オットも一緒にゴロリ。「俺もこれで寝ようかな」って、おいおい、ベッドは誰も使わんのかい!
 この前ちょっと父の話を書いて思い出したこと。お茶の水にある銃砲火薬店で知り合った父と母は恋に落ち(たかどうかは知らんが)結婚した。そして新婚生活のある一時期をこの西荻で送っていたのだ。これは私が西荻に引っ越してきた当日、初めて聞かされた話だった。その時は「へぇ、偶然だなぁ」ぐらいにしか思わなかったが、最近になってこの事実がじわじわと私の心に響いてきている。
 今の私達の住まいは賃貸だ。リュウが産まれたことで、もうちょっと広い家に、もちょっと郊外に、という話を最近頻繁にオットとするようになった。でも私の反応は「そうねぇ…」と言葉を濁すばかり。オットは「そんなにここ(西荻)にハマるとはなぁ」と苦笑している。できることなら一生西荻で暮らしていきたい。過去に住んでいた他の街には感じなかった気持ちを西荻には感じてしまったみたいだ。
 おそらく(というか確実に)父と母が西荻で暮らしていたころ、私は母のお腹にいたんだと思う。胎児だったころの記憶が、私をこの街に繋ぎとめている気がしてならない。新婚生活を西荻で送る両親の希望に溢れた思いが、お腹にいる私にもしっかり伝わっていたんじゃないだろうか。
 将来、私達家族が西荻を離れてしまい、成長したリュウが再び西荻を訪れるようなことがあったら、リュウは私と同じような気持ちになるだろうか。なってほしいなぁ。
離乳食:さつまいもの裏ごし、麦茶(昼)
本日の晩御飯:ラーメン&半チャーハン、青梗菜・シメジ・ベーコンの炒め、シウマイ@とらや、切り昆布@とらや